実話C飛行場で過呼吸

「家を出たい…」
と、唐突に言い出した私に、両親は超困惑していた。

そりゃ、はいどうぞ何て言えるわけがない。
お金も技術も学歴も何も持っていない私をどこに放り出すというのか。


しかし、心療内科の先生も交えて、散々話し合った結果、両親は何を血迷ったか私を叔母に預ける決心をした。


長期に…という話ではなく、叔母がニューヨークに旅行に行く際についていくというだけだが。
これは本当にすごい決断だったと思う。許してくれた両親と叔母には感謝してもしきれない。


先生からは、何も考えずに空っぽになってみたらと言われた。
きっと私にはそれが一番いいと思われたんだろう。

自分から家を出たいと言ったくせに、
怖いとか不安とかきついとか自分の部屋から動きたくないとか、行きたくない理由を挙げればきりがない。
このころの私を思い出すと、周りを振り回して、いい大人が何悪気もなく駄々っ子みたいなことやってたんだろと恥ずかしくなる。でもその時は自分が駄々っ子だとも思わないし、私の治療のためなんだから皆が動いて当然だくらいに思っていた。



それから旅立ちの日までも、気分の浮き沈みはあって
やっぱり行くのやめようかな、行かなかったら両親や叔母に嫌われるのかな、でもいきなり海外とか怖いでしょと悶々としていた。


そして、案の定、空港にてトラブル。
飛行機の搭乗口に並んでいる時に過呼吸になった。
見送りの両親の姿が見えなくなったところで、叔母は慌てて私をトイレの個室に連れていき、呼吸を整え背中をさすってくれた。
(医師からちゃんと対応を習っていたらしい)

幸いひどい発作ではなく、私は何とか飛行機に乗ることができた。


夜出発して、到着も夜。




なんと、23歳うつ病ニートの私が、突然ニューヨークに降り立つという奇跡が起こった。
しおり
記事一覧を見る

もやしの人気記事

  • 実話Fお金がない
    投稿日時:2018-05-15 11:14:43
  • 実話Aうつ病の治療って
    投稿日時:2018-05-14 14:10:35
  • 実話G早朝の清掃業
    投稿日時:2018-05-15 21:16:58

おすすめトピックス

日記カテゴリーランキング

日記カテゴリーの人気記事ランキング

ピックアップブログ
新着おすすめブログ